現代レンズここに極まれり XF56mm F1.2 R WR レビュー 作例
数あるXFレンズの中で最高峰の描写性能を誇る、大口径中望遠の決定版
各種収差を抑制し、圧倒的な解像力と美しいボケを両立した、比類無き描写性能がここに有ります。
スペック
焦点距離 | 56mm(換算84mm) |
F値 | F1.2 |
フィルター径 | 67mm |
サイズ | 79.4×76mm |
重量 | 445g |
レンズ構成 | 8群13枚 |
絞り羽根枚数 | 11枚 |
最短撮影距離 | 0.5m |
最大撮影倍率 | 0.14倍(0.21倍) |
防塵防滴 | 対応 |
AFモーター | DCモーター |
換算84mmでF1.2の大口径中望遠単焦点です。
前のモデルと比較して1割重くなり、サイズも1割弱大きくなっています。
その代わりに描写性能は格段に上がり、最短撮影距離も20cmも短縮され防塵防滴も備わり、使い勝手も上がっています。
ただし、重くなったと言えども445gなので、長時間の撮影でも快適に対応できます。
絞り羽根はXマウント初となる11枚を採用。
絞ってもほぼ真円を維持するので、玉ボケに拘りたい方は見逃せないポイント。
特徴
解像性能と柔らかさの両立
中央のみならず、端までも開放から高い解像性能を有します。
その性能はXマウント随一で、56mmを使用した後に33mmを使用すると「甘い?」と錯覚するほど。
被写体を画面のどこに置いても安心できるのと、絞って風景などを撮るのも楽しいです。
さらに解像感が高いながらも硬さは無く、むしろぱっと見柔らかく見えるレベル。
肌も非常に滑らかに、それでいてしっかり解像感を感じられる写りをします。
美しいボケ
基本的に解像性能とボケの美しさはトレードオフでしたが、最近のレンズは両立をさせています。
本レンズもその例に漏れず、開放は勿論のこと、絞っても美しさを維持します。
また玉ボケについても開放は口径食が出ますが、絞ってもほぼ真円を維持する設計となっており、うっとりするような美しさを作り出せます。
年輪ボケも出ることはほぼ無く、玉ボケの美しさはXマウント随一だと感じます。
最短撮影距離
本レンズの最短撮影距離は約50cmと、前モデルから約20cmも短縮されています。
最大撮影倍率も換算で約0.21倍と、大口径の中望遠の単にしては健闘しています。
(通常0.15倍くらいが関の山なイメージです。)
寄りが使える分だけバリエーションが増やせるので、非常に重宝しています。
抑制された収差
開放から各種収差はしっかり抑制されており、クリアな描写を楽しめます。
また仕事で使用する際も、フリンジなどが出辛いので安心して開放から撮影できる点もポイントが高いです。
常用出来る重さ
これだけの描写性能を待ち合わせながら重さは500gを切っており、常用出来る重さをキープしています。
いくら写りが良くても、重いと持ち出す際に心のブレーキが掛かることをXF50mm F1.0で経験済みなので、この点も非常に重要です。(写りは物凄い良いんですけどね!)
また重さは実際のハンドリングでも疲労感に直結しますので、長時間の撮影でも快適に撮影できると言えるでしょう。
AFは速くない
描写面は欠点無しのレンズですが、唯一AFは速くなく動体を撮影するには厳しさを感じます。
それもそのはず、本レンズはLMではなくDCモーターだからです。
どうやら最短撮影距離や描写性能を高めるため、フォーカスレンズ群に8枚ものレンズを使用した為重くなってしまい、DCモーターを採用することになったようです。
LMだったら完全無欠のレンズでしたが、描写と最短撮影距離の為なら私は致し方ない欠点かな?と感じます。
作例
圧倒的な解像性能に美しいボケ、中望遠という画角も合わさって、分かりやすく良い雰囲気の写真が撮れるレンズです。
ポートレート向きの焦点距離ですが、公開できる作例は有りません。
ただし、ポートレートで使用したことは何度もあるので、自信を持って向いていると断言できます。
まとめ
欠点はAF速度のみで、描写面はピカイチ。
現代レンズもここまで来たか、という感想です。
XF35mm F1.4やXF50mm F1.0などの味は有りませんが、解像感と収差の無さから、見たままかそれ以上に美しく切り取れるレンズです。
好みの世界になりますが、現代レンズが好きな方は買って後悔はしないはずです。
気になった方は是非お試しください。
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