紫陽花で撮り比べるXF33mmF1.4とNOKTON35mmF1.2(比較記事)
当ブログをご覧頂きありがとうございます。
今回は換算50mm好きな方へ送る、XF33mmF1.4とNOKTON35mmF1.2の比較記事となります。
この2本、性格が違い過ぎるので両方所持出来ると良いのですが、どちらにしようか悩まれている方にこの記事が参考になれば幸いです。
ちなみに2本とも個別にレビュー記事が有りますので、宜しければご覧下さい。
XF33mm F1.4レビュー記事
神は細部に宿る XF33mm F1.4 R LM WR レビュー
NOKTON 35mm F1.2レビュー記事
最高の趣味レンズ NOKTON 35mm F1.2 X-mountレビュー
- XF33mmは性能と信頼性のレンズ
- NOKTON 35mmは撮影体験とクセを楽しむレンズ
- 別腹レンズなので二本所持すると幸せに()
もくじ
1.この2本の違い
1.この2本の違い
ほぼ同じ焦点距離・同じF値のレンズですが、相違点についてこの項目で記載します。
描写
1番の違いはこの点でしょう。
XF33mmF1.4は開放からシャープなレンズです。
シャープさ故にピント面が際立ちます。
浅い被写界深度と切れ味を活かして、主題を背景から分離させることも可能です。
絞ればF2.8くらいまでシャープさは上がりますが、絞りは被写界深度の調整のみで変えるような感覚です。
対するNOKTON35mmF1.2は、F値によって描写が変わることを楽しむレンズです。
開放は収差を残した、滲むような描写です。
ちなみにこの描写は
①ハイキーで撮影する
②寄って撮影する
ことでさらに増します。
F1.4にするだけでもそれなりにすっきりし、F2まで絞ると収差が残りつつもしっかり目に描写されます。
F2.8以降は甘さも消え、F4-5.6以降はきっちり描写します。
F1.2とF2の比較画像を貼り付けてみました。
ヴェールを纏ったような、フワッとした描写です。
またバブルボケのようなボケ方もしていますね。
F2に絞るとかなりすっきりした印象に。
ボケ味も素直な感じになりました。
またNOKTONは開放だと印象的なゴーストやフレアが出ます。
現代レンズでは抑制されている収差やゴーストなどを味として活かせるのがこのレンズです。
ボケ
共にボケに優れたレンズです。
ただNOKTONは開放付近がバブルボケ傾向など、クセがある印象です。
しかし絞った際のボケまでしっかり美しいのはこのレンズの強み。
梅や桜など、枝が入る被写体を絞って撮影するようなシーンでは、NOKTONの方がボケは優秀です。
XF33mmはクセのがない素直なボケですが、解像力に優れたレンズということもあり、絞っていくと煩さを感じるシーンも。
といってもNOKTONがより優れているだけで、33mmも充分優秀なシーンがほとんどです。
フォーカス方式
XF33mmF1.4はAFレンズですが、NOKTON35mmF1.2はMFレンズとなります。
XF33mmF1.4はさらにリニアモーターを搭載しているため、速度と静粛性に優れています。
DCモーターは比較にならず、ステッピングモーターとも大きな差が有りますので、子供や動体を撮影する際大きな力になってくれます。
NOKTONはMFレンズでは有りますが、ピントリングの出来がAFレンズのそれとは比べ物にならない位良く、大変気持ち良く操作出来ます。
ピントリングは絶妙な抵抗感で、狙った位置でピタリと止まります。
操作感の良さから、AFのシングルポイントの枠をスティックでぐりぐり移動させるより、合焦が速い時があるレベルです。
個人的な感想ですが、NOKTONはMFだからこその撮影体験を提供してくれるレンズです。
AFでパシャパシャ撮るのも良いですが、じっくりMFで撮るのも自分で撮っている感があって好きです。
AT車よりMT車の方が運転してる感があるのと、同じ原理だと思います。
携帯性
XF33mm F1.4
サイズ 最大径×長さ:67×73.5mm
フィルター径:58mm
重さ:360g
NOKTON35mm F1.2
サイズ 最大径×長さ:59.6×39.8mm
フィルター径:46mm
重さ:196g
携帯性についてはNOKTON35mmF1.2の圧勝です。
軽いおかげで写欲を損いませんし、半分近く短い点が扱いやすさに直結しています。
XF33mm F1.4も性能を考えれば軽いのですが、ボディに付けて片手で持った際、感じる重さがかなり異なります。
純正のコンパクトプライムシリーズ(F2)と大きく変わらないサイズと重さで、さらにF1.2まで絞りを開けて表現を変えられるのは嬉しいポイント。
防塵防滴でない点などデメリットも有りますが、それは割り切るべきポイントでしょう。
レンズの存在感という点でも、街中スナップでも警戒されにくいと思います。
XF33mmはNOKTONの2倍近い長さに加えて、フードを付けると3倍前後になるため、目立つと言わざるを得ません。
信頼性
NOKTON35mmF1.2に防塵防滴機能は有りません。
その為どうしてもNOKTONは活躍のフィールド
が狭いと言わざるを得ません。
また急な天候の変化にも弱いと言えます。
※実際移動した先で予報になかった雨が降り、使いたくても使えなかった事もありました
またMFで鏡筒が伸び縮みするので、埃などを巻き込んで内部に入ったら・・・という不安もあります。
対するXF33mmF1.4はインナーフォーカス方式の防塵防滴です。
あくまで保険の防塵防滴だと思っていますが、雨の日でも使えるのは安心感が有ります。
雨以外にも砂浜や雪の日など異物が飛ぶ環境下でも安心して使えましたし、その後も快調そのものです。
天気が怪しい時、過酷な環境が予想される時は間違いなくXF33mmを持ち出すでしょう。
2.実写での違い
2.実写での違い
X-T4×XF33mmF1.4
X-Pro3×NOKTON35mmF1.2
の組み合わせで撮影しました。
設定は
フィルムシミュレーション:クラシッククローム
ダイナミックレンジ:200%
ハイライト:-2
シャドウ:+1
CCR:weak
CCB:weak
カラー:+1
露出:プラス目
で撮影しました。
露出プラス目のクラシッククロームカスタムです。
レタッチする際に明るさと色味を足す事が多かったので、色を足しつつ露出を上げ目に、白飛びしにくいようダイナミックレンジを200%にしハイライトも下げてみました。
※XF33mm側のホワイトバランスをオート、NOKTON側を晴天にしたことに撮影後気付きました・・・。
その他の設定は同じはずなので、色味の違いはご容赦ください・・・m(_ _)m
それではご覧下さい!
開放付近
共にF1.4です。
NOKTONは少し絞っていますが、解像は圧倒的にXF33mmの勝利です。
ボケもXF33mmの方が素直に見えます。
開放での比較です。
NOKTONは若干ですがクセのあるボケですね。
この2枚は露出設定が0.7ev違いますので、開放時の逆光耐性のご参考までに。
XFはゴーストやフレアは出ていませんが、 NOKTONはご覧の通りです。笑
絞りによる描写の変化
まず開放で。
NOKTON側は、ピントを外したのかと思うくらい甘い描写です汗
対するXFは流石の描写性能ですが、ボケは甲乙付け難い印象です。
次は上2枚の拡大を比較してみましょう。
差は歴然ですね。
NOKTONは開放がゆるゆるでは有りますが、XF33mmと比べると余計酷く見えてしまいますね。
これがNOKTON開放のヴェールの正体です。
次はF2の描写を比較したいと思います。
ぱっと見の差は無くなったのではないのでしょうか?
同じ部分の拡大で比較してみましょう。
拡大をご覧頂きましたが、いかがでしょうか?
XF33mmはますますシャープになっています。
対するNOKTONも一段と少し絞るだけでかなりシャープになりました。
比較すればまだ甘い部分も有りますが、十分なシャープさでは無いでしょうか?
ボケについても両者美しくボケています。
他の画像でも絞り値による変化をご覧頂きたいと思います。
まずはお互い開放での1枚。
大塚山性海寺の石碑にピントを合わせてみました。
XF33mmは少しだけ石碑が背景から分離していますね。
対するNOKTONはふわふわです。
露出設定は変えていないのですが、だいぶ明るさが異なった点も気になりますね。
今度は周辺の拡大も見てみましょう。
左上を拡大してみます。
XF33mmは周辺までしっかり解像しているなと感じました。
NOKTONは・・・被写界深度の差によるボケの影響を受けてしまっていそうです。
流れているような印象は受けませんね。
次はF2.8まで絞りました。
これも左上を拡大してみましょう。
XF33mmは絞っても大きく改善はしませんね。
NOKTONは相変わらず被写界深度外と言ったところです。
NOKTONを使用していて感じるのですが、同じF値でも他のレンズと比べるとバチピンの範囲が狭いように感じます。
次はF5.6まで絞りました。
※少し構図がずれているのはご容赦ください
お互いさらにシャープになりました。
ごく僅かですが、NOKTONの方が良くなったように見えます。
最短開放
次は玉ボケについて比較します。
まずは開放から。
共に口径食が出ています。
左上を拡大してみます。
風で木が揺らいでいた為か、同じ玉ボケの出方では有りませんでした。
その為拡大範囲は少し異なります。
XF33mmは口径食は出ているものの、周辺の玉ボケまで輪郭は綺麗なものです。
ごく僅かに年輪ボケのようなものも出ている箇所もありますが、目を凝らさないと分からないレベルです。
NOKTONは流れ気味かな?といった感じです。
非球面レンズを使用していないので、恐らく年輪ボケはないはずです。
画面全体で口径食が抑えられ、お互い丸に近付きました。
次は左上の拡大です。
XFは口径食は軽減されましたが、欠けてしまっています。
また開放より年輪ボケが出ています。
NOKTONも欠けてしまっています。
また絞り羽根の枚数が12枚と多いのに少し角張っているのが意外な点です。
画面上部の玉ボケも見てみましょう。
XFは少し歪な玉ボケも有りますが、基本角張りはありません。
NOKTONは拡大すると角張りが目立ってしまいますね。
拡大しなければ分かりにくいのですが、角張りが気になる方は注意です。
3.まとめ
2本の違いについてここまで比較してきましたが、いかがでしたでしょうか?
開放からの描写・防塵防滴・AFを優先される方はXFを、携帯性・描写の味を優先される方はNOKTONを選ばれると良いかと思います。
悩まれている方に少しでも参考になっていれば幸いです。
ここまでご覧頂きありがとうございました!
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