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XF18mm F1.4 R LM WR レビュー ありのままに、美しく。

2024年6月25日

寄って引いて、絞って開けて、表現力がクセになる
XF18mm F1.4 R LM WR

いつも本ブログをご覧頂きありがとうございます。

今回は私が使用してきたXFレンズの中でダントツで撮影が楽しいと感じる、XF18mm F1.4 R LM WRについてスチルのレビューと作例をお届けします。

このレンズの強みを活かして出来ることと、27mmという焦点距離の魅力についても併せてお伝え出来ればと思います。

1.スペック

F値1.4
レンズ構成9群15枚
絞り羽根9枚
最大径×長さ68.8mm×75.6mm
重さ370g
最短撮影距離20㎝
最大撮影倍率(フルサイズ換算)0.225倍
フィルター径62mm
AFリニアモーター
防塵防滴対応

金属製で質感は非常に高く、見た目も格好良いです。
フォーカスリングも適度な抵抗感で操作感も良好ですが、絞りリングは軽めな点が気になります。

使用レンズは15枚で、EDレンズ1枚と非球面レンズを3枚使用。
収差を抑え解像性能を重視した、現代的な性能です。

370gと軽量で、両手でハンドリングするには心地よい重さです。

2.このレンズで出来ること

強み

・F1.4の大口径

・最短撮影距離20㎝

・Xマウントで最高クラスの解像性能

・収差を抑えたクリアな写り

・素直なボケ

・背景をしっかり取り込める画角(27mm)

・リニアモーターによる高速AF

・370gと軽量

特筆すべきはXマウント最高峰の解像性能と、最短撮影距離20cmです。
同じ新プライムの33mm比でも、解像性能はその上を行きます。

また最短撮影距離20cmと、被写体からフードの先端まで拳1-2個分まで寄れる点も魅力。

その他に挙げた強みの組み合わせで、どんな写真が撮れるかの例をいくつか挙げたいと思います。

寄ってぼかして、広角らしからぬ世界観を楽しむ

F1.4

このレンズの真骨頂の一つです。
基本的にF値は小さいほど、被写体に寄れば寄るほどボケます。
このレンズはF1.4と、最短撮影距離の20㎝の組み合わせで、広角レンズらしからぬボケを生み出せます。

人気の高いXF16-55mm F2.8でも、換算27mm付近の最短は大体30cm強なので、本レンズはF値も相まってズームでは到達出来ない世界観を演出できます。

F1.4

ぱっと見広角で撮ったとは感じにくい一枚かと思いますが、いかがでしょう?

F1.4

また、開放で最短付近まで寄っても収差の類はほぼ感じられず、非常に気持ち良い写りをします。

F1.4

解像力重視のためか、ボケ量が不足する場合はとろけるようにボケるまではいきませんが、素直なボケなので大きく悪目立ちする事は少ないです。

F1.4

口径食及び、玉ねぎボケ(年輪ボケ)も抑えられており、美しい玉ボケが作れるのは高ポイント。

F1.4

また望遠と異なり、背景も広く活用する余地があります。
反面背景処理が難しい事にもなりますが、工夫のしがいがあって構図が決まった際の喜びがあります。

F1.4

上記画像は望遠だと主題ドン!の一枚になりますが、27mmでF1.4だからこそ山門というロケーションとその雰囲気までボカして織り込めたと感じています。

F2.5
咲き誇っている背景が良い感じにボケるよう、F値を選択しました

開放だとボケすぎる場合もあるので、背景の情報が残るよう絞ることも。
その取捨選択の過程も楽しかったりします。

広く切り取りつつも主題を浮き上がらせる

雑然としがちなショットも、F1.4と解像性能の恩恵で主題を浮き上がらせて、視線誘導する事も可能です。

F1.4

スマホの画面だと分かりづらいのですが、奥の人にピントを合わせています。
その為、画面右の旗と鳥居は緩やかにボケており、奥の人に視線が行きやすいと思います。
これはズームでは撮れない一枚ではないでしょうか?

F1.4

背景と被写体の距離次第では分離も可能です。

絞ってシャープに

開放から充分シャープですが、絞れば更に解像力は上がります。
心地よい解像力と収差を抑えたクリアな写りで、ついつい風景を撮りたくなります。

F4.0-5.6まで絞ると、隅まで気持ちよく解像します。

F6.4
F5
F1.4
F1.4
上記画像の右上拡大

開放から四隅の流れも感じられず、さすが単焦点という写りです。

明暗差のある箇所の収差も良く抑えられています
F3.2
開放だとボケすぎだったので、2段ほど絞りました。
上部画像の拡大です
4000万画素にも余裕で対応していますね
F4.0
この程よいワイド感が27mmの魅力です

子供との日常を切り取る

自分の子供の写真は上げないことにしているので作例は有りませんが、子供の日常撮影にも大変オススメです。

子供の撮影は年齢にもよりますが、動体が基本となる為、F1.4とリニアモーターが活きます。

また、広角ゆえ背景の情報が入り込みますが、F1.4を活かして程よくぼかせます。
この背景がいつ・どこで・何をしたのかを思い出すトリガーになってくれます。

望遠で背景をキレイにぼかして撮影するのも、子供の可愛さの本質に迫る感じで好きですが、私が日常使いするのは圧倒的に広角です。

あと広角のメリットとしては、子供+子供などの2人以上も余裕を持って撮影できますし、望遠のように距離を取らずに済むので危険への対処もすぐ可能です。

最短撮影距離が短いので、寄られても撮影できるのも地味に有難いポイント。

動体や暗所に

F値とリニアモーターを活かして、動体や暗所の撮影にも。
F値が低いおかげでSSを抑えられ、リニアモーターのおかげでAFはスパスパ決まります。

またコマ収差もしっかり抑えられているので、星景にも向いています。

暗所も手持ちでの撮影が捗ります。

旅行にもこれ一本で

程よいワイド感と軽量さを活かして、旅先の風景などを身軽に、そして美しく切り取れます。

最短撮影距離を活かしたテーブルフォト、F1.4を活かした夜景など万能にこなせます。

F5.6
パースを活かして

極端に大きな建物などで無ければ、しっかり入る画角です。

X-H2 ×2.0

デジタルテレコンも使用することで活躍の幅が更に広がります。
ここでも素の解像度の高さが活きます。

F2.5
テーブルフォトにも

手に持ってのグルメ撮影も楽々。

暗い場所や夜の撮影のお供に。

苦手なこと

広角単焦点である以上、距離を詰められないシチュエーションは対応が難しいです。

割り切るか、ズームレンズとのセットで持ち出しましょう。

距離を詰められないロケーションだと散漫になりがち

また、広角のため当然パースは付きますので、寄った際は歪みます。
※広角単で縛ると、パースとの付き合い方が学べますよ。

3.作例

シチュエーション別にお届けします。

草花の撮影に

F1.4
F2.2
F1.4
F2.2
逆光にも強めです
F2.0
ちょっとボケが硬めに写ることも
F8.0
F1.4
F5.6
F4.5
F2.8
F5.0
F1.4
寄れるおかげで構図の工夫のしがいがあります
F2.8
雰囲気までも取り込んで
F2.8
F1.4
F5.6
画面の隅々まで流れる事なく解像しています
F5.6
立体感に惚れ惚れします。

スナップに

自然と街並みに

竹島

F2.8
広角過ぎないこのワイド感がクセになりませんか?
F1.4
このわずかに背景がボケる感じが好きです
F1.4
開放でここまで寄れば背景は強烈にボケます
F1.4
開放の玉ボケも好印象。
F5.6
F5.6
F5.6

旅行にも

京都

パースを活かして。

ディズニーランド&シー

別記事で作成してありますので、気になる方はこちらもどうぞ!
28mmの単焦点で一本勝負!ディズニーランド&シー編

ディズニーでも使い勝手の良さを感じました。
場所を選べば気持ちよく切り取れます。
もっと広角があれば・・・とも感じましたが、割り切りました。
圧縮前は本当に揺るぎない画質です。
平面的なイラストを撮影しても、その質感から立体感を感じることも。
単焦点の本領発揮。
暗いアトラクション内でも、子供を撮影出来るチャンスが有りました。
F2.8のズームだと諦めるレベル。

再び草花へ

F1.4
うるさくなりがちな細い被写体も良い感じにボケますね
F1.4
良き玉ボケです
F1.4
F1.4
広角で気持ちの良い構図を探すのも楽しいですよ
F1.4
上記画像のピント分拡大です。
開放の解像力がお分かり頂けるかと思います。
F1.4
F2.8

4.まとめ

寄りと引きを使い分ける事で同じレンズで撮ったと思えないくらい、異なる絵が撮れます。
そこに広角の構図探しの楽しさも相まって、撮影という行為自体が楽しくなるレンズです。

AFは快適でノンストレス、防塵防滴も有りいつでも持ち出せる点も心強いです。

そして何より、開放からの気持ち良すぎるレベルの解像力。

近〜中距離の日常を切り取るにはこれ一本で行ける、オールラウンダーです。

少しでも良いな、と思った方はぜひ試してください。
病みつきになりますよ笑