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花の撮影にオススメのレンズ〜富士フイルムの中望遠編〜

2024年1月31日

選択肢が多いfujiの中望遠から、イチオシの花撮りレンズをご紹介!

いつも本ブログをご覧頂きありがとうございます。

今回は花の撮影をする上で鉄板の画角である中望遠において、オススメのfujiのレンズを記載したいと思います。

fujiの中望遠は充実しており、悩まれる方もいらっしゃるかと思いますので、そんなお悩み解決の一助になればと思います。

結論

XF56mm F1.2 R WR(とMCEX-11)がオススメ!

名レンズのXF90mm F2.0や、マクロを差し置いてXF56mm F1.2?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、追ってご説明出来ればと思います。

1.私が花撮りに求めること

まず前提として、個人の求める要素に応じて良いレンズは変わってきます。

例えばですが、重くても描写第一の方にとっては良い選択肢となるXF16-55mm F2.8も、軽さ優先の方には恐らく良いレンズとはなりません。

という事で、私が花撮りに求めていることをまず記載しようと思います。

私が花撮りに求めている事

・ボケが美しい

・玉ボケの美しさ

・防塵防滴

・最大撮影倍率が高い

・収差は少ない方が嬉しい

・ボディ込みで重さは1キロ強までが嬉しい

・解像力が高い

色々書きましたが、現代的な写りかつ、軽いレンズが好きです。

各項目について簡単にご説明します。

ボケが美しい

中望遠なので、主題を引き立てる用途でボケを使用することが多くなります。
加えて、写り込むであろう枝葉はボケが煩くなりがちな被写体です。
ボケが美しければそういった被写体も上手くぼかし、主題を引き立てる方が可能です。

加えてF1代の大口径ならボケを活かして背景処理も可能と、大口径でしか撮れない写真も存在します。

ボケの質と量ともに拘りたいところです。

XF56mm F1.2

玉ボケの美しさ

木漏れ日などを背景に入れて、玉ボケキラキラの写真も良くご覧になるかと思います。

こんな感じの一枚ですね。

この玉ボケもレンズによって特徴があり、
変形しないか?
玉ねぎボケは出ないか?
うるさく無いか?
が一般的な美しさの基準になります。

防塵防滴

雨に濡れた紫陽花、雪降る中咲く水仙など、悪天候でしか撮れない写真も数多く有ります。
そういった撮影機会には防塵防滴が欠かせません。

最大撮影倍率が高い

紫陽花やヒマワリ、蓮クラスは寄らなくても撮れますが、小さな被写体となってくると話は別。

身近な草花や梅や桜も寄って撮るには、最大撮影倍率の高さが欠かせません。

被写体にもよりますが最低換算0.2倍、さらに0.5倍のハーフマクロまで有れば表現の幅はかなり広がります。

植物のディティールは非常に細やかなので、寄れることで見えてくる世界が有ります。

ハーフマクロ&トリミングです
肉眼では見えない世界が楽しいです。

収差は少ない方が嬉しい

群生した花を撮ると、現実には存在しない紫と緑が出る場合が有ります。
これが色収差で、無い方がすっきりとした写真が撮れます。

比較的、大口径のレンズに出やすいものとなります。

XF50mm F1.0開放にて。
上記画像の拡大です。
主に緑色が出ていますね。

絞れば改善するパターンが多いですが、その分被写界深度が深くなりますので、開放から出ないに越したことは有りません。

機動力

一般的に、写りと重さはトレードオフです。
ですので、自分の中で写りと重量のバランスの折り合いを付ける必要があります。

私は比較的写り優先で重いレンズを使用していますが、それでもレンズが600gを超えてくると重たいなと感じています。
その為、私の中では写りが納得できて、600g以内のレンズが望ましいという線引きになっています。

許容範囲以上に重いと、段々持ち出す回数が減ってしまう可能性も。

解像力

おしべとめしべ、ガクアジサイなら中央の花の部分など、植物のディティールは非常に細やかです。
そんなディティールを細部まで写そうとなると、レンズの解像力が重要になってきます。

一般的に絞れば解像力は上がっていきますが、その分シャッタースピードと被写界深度が犠牲になります。
その為、開放からシャープに写るレンズはその点で優位性が有ります。

以上を踏まえて、条件を満たすレンズをご紹介していきます。

2.オススメレンズ候補

それなりにfujiの中望遠は使用しましたが、未使用のレンズも数多くあります。
使用経験無しに詳しくは語れませんので、今回の記載から外れることをご容赦ください。

使用経験が有るのは・・・

ズームも有りますが、中望遠域もカバーしているので混ぜました。

XF50mm F1.0 R WR(売)
XF56mm F1.2 R WR
XF80mm F2.8 R LM WR macro(売)
XF90mm F2.0 R LM WR(売)
XF16-55mm F2.8 R LM WR
XF16-80mm F4.0 R OIS WR(売)
XF18-120mm F4.0 LM PZ WR(売)
XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR
XF70-300mm F4.0-5.6 R LM OIS WR(売)

※(売)は売却済み

それでは使用済みのレンズから特に写りが良かったと感じたレンズをいくつか挙げて、候補を絞っていきたいと思います。

XF50mm F1.0

開放から必要充分にシャープですが、収差を敢えて残した味わいのある写りをします。
また上記のレンズの中でも屈指のボケの美しさを誇り、浅い被写界深度と相まって絵画的な一枚が撮れるレンズです。

F2

ただし欠点もあって、
寄れない(最大撮影倍率は換算で0.12倍)
重い(約850g)
色収差が出る
AFは動体を撮るには厳しい
と色々制約が掛かるのが難点。

勿論植物も美しく切り取れますが、ポートレートやスナップ用レンズだなと感じます。

個別レビューはこちら

XF80mm F2.8 macro

本気でマクロ撮影をするなら、間違いなくこの一本です。
解像感や収差については文句無し、防塵防滴、AFはリニアモーターと隙が有りません。

ただし、
重い(750g)
開放で背景がぐるぐるする
開放の口径食がかなりキツい
玉ねぎボケが出る
絞ると玉ボケが角張る
と、機動力と玉ボケに難を抱えたレンズです。

接写能力は高く、写りも◎
肉眼では見えない世界も切り取れます
口径食はキツめ
背景はぐるぐるする場合も
玉ねぎボケは薄めでもこれくらい出ます
角張り&玉ねぎボケ
美しいとは言えないですね・・・

個別レビューはこちら

XF90mm F2.0

名レンズと名高い、人気の中望遠です。
開放から良く写りボケは美しい、AFはリニアモーター、最大撮影倍率も換算で0.3倍と高いので草花の撮影にも使いやすさを感じます。
また、換算137mmという焦点距離自体も圧縮効果で満開感を演出したり、遠い被写体を引き寄せることが可能です。
加えて重さも540gと、焦点距離と写りとF値を鑑みれば軽い部類。

本当にオススメのレンズですが、唯一の欠点としては
絞るとF3.2以降に玉ボケが角張ることです。

玉ボケの角張りさえ許容すれば、欠点無しのレンズです。

XF50-140mm F2.8

F2.8通しの望遠ズームです。
とにかく抜けの良さが際立ち、素晴らしい質感描写をしてくれます。
一段絞れば解像度も高まり、隙の無い写りを堪能できます。

何よりズームなので、構図の自由度が単焦点と比較して段違いです。

絞り羽根は7枚ですがXF90mmほど角張らず、また玉ねぎボケは基本出ないので、美しい玉ボケを堪能できます。

とにかく良い雰囲気で切り取れるレンズなのですが、約1000gと重たい部類に入ります。
また最大撮影倍率も換算で0.18倍と、クローズアップの撮影も不得意。

実際に使用していても写りが良いのでテンションは上がりますが、重さゆえ機動力に制限が掛かる点が難点。

作例はこちら

望遠端ともなればこのボケ量です
前ボケも美しいです
F2.8ですが、背景との分離も可能です
元データの立体感は見事の一言です

XF16-55mm F2.8

F2.8通しの標準域担当で、50-140と比較してボケの美しさを少し落として解像力を上げたような、そんなレンズです。

開放からしっかり写り収差も良く抑えられていますが、玉ねぎボケの影響を受ける場合があり、玉ボケが完璧とは言えないのが欠点。

またボケ量が不足すると、煩さを感じることも。

最大撮影倍率も望遠端で換算0.24倍とそれなりに大きく写せ、開放ならかなり綺麗にボケます。

標準ズームのため万能に扱えるので、花の撮影以外にも撮りたい被写体がある方にお勧めしたいレンズです。

広角側でメリハリを付けて撮影できるのも標準故のメリット
F2.8でも寄れば世界観を作れます
F5まで絞っていますが、基本的に美しい玉ボケです
玉ねぎボケも出ていますが汗

XF56mm F1.2 R WR

WR化されたII型のレンズです。
開放から近接でもキレッキレの解像力、収差を抑制したクリアな写り、そして美しいボケが特徴。
絞り羽根も11枚採用で、絞っても玉ボケは円形を維持します。
さらに玉ねぎボケもほぼ確認できず、写りの面ではほぼ完璧なレンズと言えます。

重さも445gと扱いやすく、最大撮影倍率も換算で0.21倍と中望遠にしては健闘しています。

写りを鑑みればむしろ軽い部類なので、本当にこのレンズは強くおすすめします。

写りに感動できる一本です。

ただしAFはDCモーターなので、風に揺れる花などの動体を撮るには厳しい欠点があります。

うるさくなりがちな場面も見事なボケ
とにかく写りに隙が有りません。

オススメレンズまとめ

レンズ
50mm F1ボケの美しさ重い
最大撮影倍率が低い
AFが早く無い
80mm F2.81.5倍マクロ
シャープ
重い
口径食
グルグルボケ
玉ボケが美しくない
50-140mm F2.8ヌケが良い
ズームなので画角が自由
重い
あまり寄れない
16-55mm F2.8解像力が高い
標準域も有り日常使用にも○
少し重い
玉ねぎボケの影響有り
ボケが美しくない時も
90mm F2.0相対的に軽い
寄れる
ボケが綺麗
絞ると玉ボケが角張る
56mm F1.2 WR描写面はピカイチ重くないDCモーターでAFが早く無い

イチオシレンズは?

6本のレンズをご紹介しましたが、イチオシはXF56mm F1.2 R WRです!

描写面は本当に文句の付けようがなく、美しい写りとボケを堪能できます。

ただ、最大撮影倍率0.21倍だと不満を感じる場合も有りますので、たまに寄りたい方にはマクロエクステンションチューブとの併用をオススメします。

このアイテムは合焦範囲が極端に狭くなり、無限遠が出なくなるデメリットがありますが、本レンズは換算約0.5倍のハーフマクロとなります。(MCEX-11の場合)

開放はふわふわするようになるため、しっかり写すならF2.8以上に絞る必要があります
絞れば揺るぎない描写に。
ボケの美しさは健在

マクロである80mmと比較して使い勝手と倍率は劣りますが、美しい玉ボケを作り出せるのはこのレンズとMCEXの組み合わせだけの特権。

写り>使い勝手なら、是非とも試して欲しいです。

まとめ

描写性能最重視で、XF56mm F1.2 R WRをイチオシとしました。

絞った際の玉ボケの描写にまで拘るなら、現状このレンズ一択かな?と思います。

ただ、レンズ選びは他の被写体との兼ね合いになるかと思います。
他に挙げたレンズもそれぞれ素晴らしいので、ニーズに合うならぜひお試しください!

(60mmマクロのリニューアルを強く望んでいます笑)