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50mm単焦点 一本勝負で切り取る草花たち

画角縛りで工夫して切り取る楽しさ

いつも本ブログをご覧頂きありがとうございます。

最近、50mm単の奥深さを改めて感じていますので、一本勝負をする事が増えています。

水仙から紫陽花までを50mm単で切り取りましたので、ご参考までに作例と併せて撮る上で感じたことを記載したいと思います。

使用機材

ご参考までに使用機材を記載します。
なお、写真は編集もしています。

ボディ
SIGMA fp
LUMIX S5 ii

レンズ
SIGMA 50mm F2 DG DN
SIGMA 50mm F1.2 DG DN

小物
クローズアップレンズ

作例

SIGMA fp

SIGMA 50mm F2 DG DN

F2
F5
F2
F3.2
F2
F5.6
F2
F3.2
F2
F2
F2.8
F2
F2

50mm F2 DG DN × クローズアップレンズ

F4.5
F3.2
F2
F3.5
F2

SIGMA 50mm F1.2 DG DN

F1.2
F2.5
F1.2
F1.2
F1.2

SIGMA 50mm F1.2 DG DN ×クローズアップレンズ

F2.5
F1.2
F1.2

LUMIX S5ii

SIGMA 50mm F1.2 DG DN

SIGMA 50mm F1.2 DG DN × クローズアップレンズ

50mm縛りをする上で

大前提

単焦点なので、基本的に自分の足で構図を調整することになります。
そのため、花壇の中などの入れない場所の撮影は引きの絵ばかりになりがち。
メリハリをつけて撮影するとなると寄り引きを併せたいので、物理的に寄れるシチュエーションでの使用をおすすめします。

目の前は花壇なので、これ以上寄りの絵は撮ることが出来ないシチュエーション。

単焦点一本縛りのメリット

画角を悩む時間が無くなる

良いなと思った場面に出会ったとして、ズームレンズの場合は「何mmで切り取るのか?」という思考が発生します。
レンズ交換無しで画角変更出来ることはズームの強みなのですが、単焦点にはその時間が一切なく「その画角でどう切り取るのか?」に集中できます。
言わば、与えられた武器だけでどのように工夫して戦うか?といった感じです。

その結果、ズームを使用する時より構図は?露出は?タイミングは?被写界深度は?寄るか引くか?アングルは?などをより時間を割いて考えられるようになりました。

単焦点を使い出してから、アイポイントからアングルを変えてみる癖がついた気がします

画角の特徴を学べる

また、一定の画角で固定すると、否が応でもその画角の特徴を学ぶことも可能です。

これを理解した上でズームレンズを改めて使用すると、被写体に応じてどの焦点距離を使用するのか?と考えるきっかけになります。

50mmの特徴はほぼ見たままに切り取れること。
私にとって、自然な圧縮感が魅力。

小さいF値を活かせる

ズームレンズはズーミングで表現を変えられますが、単焦点はF値を活かしたボケ表現が可能です。
大口径であるほど大きなボケを楽しめ、時には被写体が背景から分離する描写は病みつきになります。

何かと開放で撮りたくなりますが、画角を変更できない単焦点にとってボケ量も重要な表現方法の一つ。
その為、場面と被写体によっては絞る必要性も学べます。

また、F値が小さい故に暗い場面でもSSを稼げる、もしくはiso感度を下げられる点もズームとの大きな差別点です。

F1.2で見える世界。
同じ焦点距離のズームでは到達が難しい世界です。
同じくF1.2。
背景がここまでボケます。

デメリット

「レンズ交換無しでは画角変更が出来ない」
これに尽きます。

目の前に広大な景色が広がっていても、同じ立ち位置からは付けている画角以上に広く切り取ることは出来ません。
その逆も然り、付けている画角次第では遠くの被写体を引き寄せて撮ることも出来ません。(こちらはトリミングで多少は対応可能ですが)

被写体との距離が刻一刻と変わり、かつ撮り漏らしが出来ないシーンではズームの有用性が勝ります。

使い勝手と対応力が犠牲になっている点が主なデメリットと言えます。

広大な藤棚が広がっていますが、50mmなのでこれが限界。

50mmを草花の撮影に使用してみて感じたこと

寄り引きの重要性

50mmに限らず単焦点に言えることですが、画角の変更が出来ないため、主に寄りと引きで表現を変えることになります。

単焦点なら寄りと被写界深度の浅さを活かして、印象的な1枚を狙うことも可能です。

F1.2開放&クローズアップレンズを使用。
背景どころか、すぐ後ろの花も大きくボケます。

レンズの特性次第ですが、ボケの美しいレンズなら絞っても美しいボケが堪能できます。

クローズアップレンズを併用して、25センチくらいまで寄っています。
こちらは被写界深度確保のため、F5まで絞りました。
望遠ほどではないですが、引きでは密集感を演出できます。

背景整理の練習になる

ズームならズーミングでそれなりに背景を処理出来ていた所、単焦点は自分の足で動く必要が有ります。
画面全体に気を配り、自分の足とアングルで背景と被写体を整理する経験は写真のクオリティーを上げてくれます。

ただし、大口径だとボカして処理出来てしまう場合もあるので、ボケに頼り過ぎない意識も大切。

表現の振れ幅

広角と望遠の間に位置付けされるからこそ、表現次第では広角っぽく・望遠っぽくを一本で表現できる。
そんな振れ幅が50mmの魅力の一つだと感じています。

望遠のように見えますが、これも50mmです。
遠近感とボケ量次第で望遠側に似せられます。
逆に広々とした雰囲気も表現できるのも50mmの良いところ。
アングル低めにして背景のチューリップを重ね、圧縮効果のように見せられないかと試した1枚。
F1.2のボケも相まって、ぱっと見50mmとは思えない雰囲気に仕上がったかなと思います。

自然な遠近感

自分が50mm好きだからだと思いますが、やはりこの画角の自然な遠近感は魅力的です。

35mmだと遠近感がつきすぎて物足りないシーン
見たままの世界

ただし、それ故望遠のように現実を超えて密集させて、映える雰囲気にするのは難しいです。
この見たままの画角のレンズでどう魅せるか?という過程が楽しいのも50mmの特徴だったりします。

密集しているロケーションを探して撮影した1枚。
圧縮間は出せたと思います。
しかし、手を伸ばしてまで撮影しましたが、背景処理しきれなかったのが残念。

まとめ

50mmを中心に半年使用してみて、望遠レンズでなくてもしっかり世界観を作り込んでいける可能性に気付けました。

そこからは寄りと引きを活用して、50mm一本で撮影するのに夢中になりました。

50mmの画角が心地良いな、と感じている方には、一度単焦点縛りをお勧めします。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました!